出演: 永瀬 正敏, 松 たか子, 緒形 拳, 吉岡 秀隆, 小澤 征悦
時は幕末、東北の小藩である海坂藩。 片桐宗蔵(永瀬正敏)は、きえ(松たか子)との思いがけない再会に胸を痛めていた。宗蔵は、伊勢屋という大きな油問屋への縁談がまとまったきえが、幸せだと信じていた。町で買い物をしていたきえの、降る雪の中に消え入りそうな、痩せて寂しげな後ろ姿を見送るまでは───。そんなある日、藩を揺るがす大事件が起きる。海坂藩江戸屋敷で謀反が発覚したのだ。幕府表に知られるのを恐れた藩は、関係者をこっそりと処分、首謀者の一人である狭間弥市郎(小澤征悦)に関しては、山奥の座敷牢に閉じ込める”郷入り”という極刑に処すため、奥羽山脈の麓の村に護送した。宗蔵と弥市郎とは、かつて藩の剣術指南役だった戸田寛斎(田中泯)の門下生で親しい友人だった。