出演 : ズビグニェフ・ツィブルスキ, テレサ・トゥシンスカ, グラズィナ・ムシンスカ
監督 : ヤヌシュ・モルゲンシュテルン
世界初Blu-ray化!
ポーランド本国で高く評価されたにも関わらず
諸外国では長らく存在すら知られていなかった至宝!
ポーランド人青年とフランス人娘の初々しい恋が優しく紡がれる、詩的な青春映画
“ポーランドのジェイムス・ディーン”ツィブルスキが脚本と主演を兼任した秀作。
若者たちの小劇団に所属する25歳のポーランド人青年ヤツェク(ズビグニェフ・ツィブルスキ)と、領事官の父親に伴われてポーランドにやって来た18歳のフランス人娘マルゲリート(テレサ・トゥシンスカ)。彼らの出会いとぎこちない恋、そして別れを描いた愛すべき小品。
『灰とダイヤモンド』(アンジェイ・ワイダ、58)に主演し、一躍注目を集めたばかりのツィブルスキが、自身の体験に基づいて執筆したオリジナル脚本に基づいている。共同執筆者は、ツィブルスキの盟友で自身卓越した俳優でもあるボグミウ・コビェラと、作家・文芸批評家・詩人のヴィルヘルム・マフ。
本作は、戦後ポーランドの若者たちの都市生活をその実像に近い形で描き出した最初の映画として、ポーランド映画界の”ニューウェイヴ”の先陣を切った作品の一本とされている。緩やかな物語構成とロケーション撮影の大々的な導入には、同時期にフランスで勃興した”ヌーヴェル・ヴァーグ”との親近性をも感じさせよう。とりわけ、グダンスクの海岸や街なかを目的もなく歩き回るヤツェクとマルゲリートの姿をロケーション撮影でとらえた場面の数々は、映画に瑞々しい感覚を付与すると共に、当時の同地域を記録した貴重な記録映像ともなっている。
また本作は、クシシュトフ・コメダが初めて音楽を手がけた長編映画でもある。彼はピアニスト役で顔見世出演も果たしている。フランス語の堪能な若者役で出演している若き日のロマン・ポランスキにも、要注目。